おやつ考

 

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「ベビースター」のルーツはインスタントラーメンの
製造工程で出る麺の「かけら」を、
スナック菓子として、再び加工したのが始まりです。

こうしたリ・ボーン(re-born)食品の代表的な例として、豆腐の絞りかすを使った「おから」や、だしをとった後の昆布に味付けした「塩昆布」などがあります。旬に多く収穫できる食品を、缶詰や瓶詰にした保存食品なども、広義的にはこのたぐいでしょう。これらのリ・ボーン食品は捨てられる運命だったのかも知れない食材を蘇らせているので、何といっても低コストであることが魅力的です。

もちろん、今日では残りものではなく、味と質を吟味した材料で生産していますが、最大のセールスポイントである低コストを維持し続けられているのは、大量生産などの企業努力によるものにほかなりません。重ねて申し上げます。「ベビースター」はリ・ボーン食品であることが著しい「商品機能」です。インスタントラーメンという食品だから腹持ちがよく、リ・ボーン食品だから「低価格」。「ベビースター」ならではの「たっぷり」の理由の一端です。

「ベビースター」の特筆すべき特徴は、
食品を素手で食べるという画期的な食スタイルです。

この例としては、おにぎりや缶ビールが挙げられます。普段、茶碗と箸で頂くご飯は温かい方がおいしいと感じるのに、ピクニックやハイキングなどの時には、素手で食べる冷たいおにぎりでも、おいしいと感じます。

缶ビールは瓶ビールのようにグラスがいりませんし、自分のペースで飲むことができます。重ねて申し上げます。ご飯や瓶ビールは食器が必要ですが、おにぎりや缶ビールなら自由なスタイルで飲食できます。同様に、ラーメンは丼と箸が必要ですが、袋に入っているドライ麺の「ベビースター」なら、お腹が空いた時、いつでも、どこでも麺をつまんで食べることができます。

つまり、「ベビースター」はご飯やビールが持っている食品本来の満腹感という「食品機能」に加え、おにぎりや缶ビールが持っている、サービスという著しい「価値機能」を生まれながらにして併せ持っているのです。

21世紀はモノを売るのではなく、機能やサービスを売るサービス・エコノミーの時代だと言われています。その意味でも「ベビースター」の未来は大きく開けているといえるでしょう。「ベビースター」ならではの、“たのしい”理由の一端です。

つい近年まで、日本の食事は1日2食でした。その間の空腹を満たすのが、「おやつ」のルーツで、主におにぎりなどを午後3時頃に食べていました。今日の米菓はその名残です。現代は、朝食・昼食・おやつ・夕食・夜食の「5食時代」といわれ、食事と「おやつ」のボーダーレス化も進んでいます。いつの時代も、空腹を満たすことが「おやつ」の本質であり、「おやつ」の不変の定義だと申し上げたいのです。“たっぷり、たのしい”の結論です。